旅の記録

旅ブログです。

台湾旅行3日目② 高鐵で嘉義、台鐵で隆田駅へ

午前9時頃にホテルを出発しました。まずは台北駅へ。前回の記事の最後にも書いたとおり、本日は嘉義へ行くためにまず台北駅から新幹線に乗ります。台湾の新幹線は高速鐵道、通称高鐵と呼ばれており、台湾島の西海岸を南北に貫いています。

 

高速鐵道を使って嘉義


f:id:togesohei:20180728235318j:image

台北駅に到着し、高鐵の乗り場へ。まずは乗車券の購入ですが、高鐵のチケットは窓口以外に自動券売機でも買えるので、今回はそちらの方で購入しました。券売機は日本語にも対応しているので操作は簡単。クレジットカードも使えました。


f:id:togesohei:20180729000118j:image

改札を通過し、一番のプラットホームへ。「南下月台」とありますが、「南下」はその言葉どおり南(高雄方面)へ、「月台」はプラットホームのことで、台湾で電車を利用していたら嫌でも覚える台湾語です。ここの右手のホームから高雄行きの新幹線に乗り込みます。


f:id:togesohei:20180729001332j:image
私が今回購入したのは自由席券だったのですが、台北駅は始発駅から一つ隣の駅ということもあってか何とか座れました。ちなみにチケットはこんな感じで、往復分を一度に購入できます。お値段は片道1,045NT$(=3,867円)。台北から嘉義は、日本でいう大体福岡から熊本ぐらい?だからこんなもんなんですかね。

さて、嘉義までは1時間半ぐらいかかるので、その間ひたすらゆっくりします。車内の様子としては、日本の新幹線とほぼ変わらず快適そのものでした(というか、高鐵の車両は日本のものを採用しているようなので似ていて当たり前ですが…)。ただ、余りにも快適で静かすぎるので、駅に停車しても逆に一瞬気付かないぐらいの静けさでした。多分、寝ていたら新幹線なのに乗り越してしまってもおかしくないレベルなので、その辺は注意した方がいいと思います。


f:id:togesohei:20180729020907j:image
f:id:togesohei:20180729020935j:image
10時50分頃に高鐵嘉義駅に到着。嘉義台北に比べると田舎の方の街ですが、高鐵嘉義駅はさすが新幹線が停まるというだけあって、近代的な建築をしていました。

さて、嘉義に到着したのはいいものの、ここ高鐵嘉義駅は嘉義の中心地からは大分離れた所にあります。これは嘉義に限らず高鐵の停車駅全般に言えることだそうで、日本でいう大阪駅新大阪駅横浜駅と新横浜駅の違いみたいな感じなんでしょう。

高鐵嘉義駅に関して言えば、周囲には特に何もないとのことなので、普通はバスを使って台湾鐵道(通称台鐵)の方の嘉義駅へ移動することになります。というわけで、まずは駅を出てバス乗り場の方へ向かいました。


f:id:togesohei:20180729022909j:image
f:id:togesohei:20180729022925j:image
少し奇妙な嘉義ご当地キャラクター?がお出迎えしてくれました。さて、駅前にはロータリーが広がっているものの、よくよく考えたらどれが台鐵嘉義行きのバスなのか全然分かりません。ロータリーには複数のバス、そしてバス乗り場があるのですが、どれが正解なんだろうとしばらく途方に暮れていると、突然一人のおじいさんが話しかけてきました。

そのおじいさんは台湾語で一気にまくし立ててきたのですが、当然私には寸分も理解できません。すると今度は、サングラスをかけたちょっといかつ目の若い男性が現れ、その人は台湾語ではなく英語で私に話しかけてきました。

恐らく両人とも、親切心から私に道案内を買って出てくれたのでしょう。しかし、大変申し訳ないことに、私はどちらの言葉もさっぱり聞き取ることができません。もう自分の語学力ではどうにもならないので、仕方なくリュックから地球の歩き方を引っ張り出し、台鐵の嘉義駅へ行きたいということを指差しで伝えてみたら、サングラスの男性が正解のバス乗り場の場所を教えてくれました。


f:id:togesohei:20180729024228j:image

というわけで、何とか台鐵嘉義行きのバスに乗り込めはしたものの、またまた自身の語学力の無さに呆れる羽目になりました。こんな目に遭うのはもうこれで三日連続ですよ。改めて帰国したら英語を勉強しようと心に誓ったのでした。


f:id:togesohei:20180729025240j:image

バスに乗り込み、台鐵嘉義駅まで30分ほどバスに揺られます。ちなみに高鐵~台鐵嘉義駅間のバスは、高鐵のチケットを運転手に見せたらタダで乗せてくれます。車窓からの様子は、田んぼか畑が広がっているぐらいで特に何もなかったですね。車も人もあまり見かけず…。

 

台湾鐵道烏山頭ダムの最寄り駅、隆田駅へ


f:id:togesohei:20180729025759j:image

11時30分頃、台湾鐵道の方の嘉義駅に到着しました。こちらは嘉義市街の中心地だけあって、さすがに駅周辺も賑やかな感じでした。

さて、遠路遥々嘉義までやって来たわけですが、ここから更に台湾鐵道に乗り換えて、隆田駅というところまで行きます。隆田駅は嘉義駅から南へ7駅先にある、正直言ってかなりローカルかつマイナーな駅なのですが、一つその特徴を挙げるとすると、隆田駅は烏山頭ダムの最寄り駅となっています。

烏山頭ダム………?と大抵の日本人は頭にはてながつくと思いますが、烏山頭ダムとはまだ台湾が日本に領有されていた頃、日本人の八田與一という技師が設計、監督して完成したダムのことです。元々この嘉義一帯の平原(いわゆる嘉南平野)は灌漑施設が十分に整備されておらず、干ばつや水害の被害が多かったため、広大な面積を有するにも関わらず農産物があまり収穫できない不毛の大地、いわゆる宝の持ち腐れ状態でした。しかし、当時東洋一の規模を誇った烏山頭ダムが完成したことで、嘉南平野はたちまち台湾一の穀倉地帯へと生まれ変わり、名称も嘉南大圳(カナンタイシュウ)と呼ばれるようになったのです。

10年にも及ぶこのダム建設の大工事を成し遂げた八田技師は、その後現在まで台湾人の間で親しまれる人となり、その名前は現在の台湾の教科書にも掲載されているほどだそうです。台湾の人々にとって八田技師は、日本統治時代の台湾の歴史に名を残す人物の一人であり、その存在は台湾が世界随一の親日国であることにも大きな影響を及ぼしています。

このように、台湾の間では偉大な人物として讃えられている八田技師ですが、こと日本においてはその存在はほとんど知られていません。しかし、日本人として今回台湾に来たからには、是非とも八田技師が完成させた烏山頭ダムを訪れてみたいと思い、本日わざわざ台北から新幹線に乗ってここまで来たのでした。


f:id:togesohei:20180729105025j:image

というわけで、まずは台鐵の切符の購入。右手の自動券売機は、MRTや高鐵のような日本語対応しているハイテクな機械ではなさそうだったので、今回は真ん中の窓口で購入しました。再び地球の歩き方を示して何とか隆田駅行きの切符を手に入れました…。(値段は52NT$=192円)


f:id:togesohei:20180729105720j:image

隆田駅に停まる電車が来るまで20分ほどの時間があったので、しばらく待ちます。この辺は台北中心部と比べると、やはり電車の本数は少ないようです。

で、そろそろ時間になったのでホームまで向かうと、途中の地下道にKANOが描かれたイラストが。KANOの存在も、今回私が嘉義に訪れた大きな要因の一つなのですが、それは烏山頭ダムの記事が終わってからということで…。


f:id:togesohei:20180729110219j:image

南へ向かう一番線のホーム。12時前出発の電車に乗り込みます。台鐵の車内の様子は、MRTや高鐵に比べると少しレトロな感じの雰囲気でした。ただ一つ驚いたことは、台鐵では車内でお弁当を食べている人が普通にいたということです。MRTでは飲食厳禁だと前に書きましたが、どうやらあれはMRT限定のルールなようですね。


f:id:togesohei:20180729110638j:image

40分弱電車に揺られて、隆田駅に辿り着きました。いよいよ本日メインの観光地である烏山頭ダムへ向かいます。

 

続く