旅の記録

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夏の高知旅行1日目④ 天神大橋と五台山

高知公園を出たのが14時45分頃。この後、国道32号線の大橋通りの交差点にあるファミリーマートに立ち寄り、フードコートにて小休憩&スマホの充電を挟んだ後、16時前頃に再び出発しました。次に向かうのは、これまた『海がきこえる』にて登場した場所である「天神大橋」という橋です。

 

神大

 

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大橋通りを真南に南下してしばらくすると、鏡川という大きな川に差し掛かります。その川に掛かっているのが天神大橋です。全長は145mで、見てのとおり赤い欄干が特徴的な橋です。

 

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海がきこえる』では、作品冒頭、主人公の拓が学校まで自転車を走らせるこの何気ないシーンに、天神大橋は登場しています。

 

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現在の天神大橋の、アニメと大体同じ場所からの風景はこんな感じです。(たまたま自転車で走る学生が入った写真が撮れました。)実際に現地に立ってみると、街灯があるところなどかなり精密に再現されていることが分かります。

 

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アニメでは、拓は天神大橋を過ぎると右折して、川と民家の間に挟まれた狭い路地を通ります。こちらのシーンも、実は実際にある通りを再現したものです。

 

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神大橋を北上して右に曲がると……、

 

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アニメとは反対方向を向いた場所に出ました。

 

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振り返ると、アニメのあのシーンと同じ光景が。大多数の人間にとっては何でもない景色かもしれませんが、見る人によっては全く違った景色に見えるという好例ですね。

 

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神大橋は他にも、拓が高知空港へタクシーで向かう場面にも登場しています。

 

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実際の景色と照らし合わせてみると、後方の小山が盛り上がっているところまでしっかり再現されているのが分かります。

 

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ここでちょっと小休憩。天神大橋の次は高知市の東側にある五台山という所へ行く予定だったのですが、場所的にバスで行くしか術がなかったので、バスが来るまでの間鏡川の川縁でしばらく時間を潰すことにしました。

雄大鏡川と天神大橋の景色を眺めながら、ただひたすらボーッとします。今日は朝起きてからもう既に10時間以上が経過していたので、普通に疲れていて何かを考える余裕など無くなっていました。

 

ところで、前々回の記事にて『海がきこえる』のDVDに付いている特典映像について少し紹介しましたが、この天神大橋についても、アニメから10年後(=現在から15年前)の景色が特典映像の中に収録されています。

 

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それがこちら。2003年当時の天神大橋です。帯屋町や高知追手前高校と同様、こちらも15年前と特に変わった様子は見当たりません。

 

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特典映像では、当時の制作スタッフがどのような想いでこの天神大橋の風景を描いたのかが発言されています。例えば、こちらの橋の中央部のシーンでは、美術監督を務めた田中氏が、

「高いビル全部削除したんですよね。広がり感が欲しくって」

と発言されています。なるほど、確かにアニメの方はビルの数が現実より明らかに少ないですが、単に時代の経過によりビルの数が増えたのではなく、最初から余計なものを削っていたということだったんですね。

 

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他に、天神大橋を右に曲がったこちらのシーンでは、田中氏とプロデューサーを務めた高橋氏、作画監督を務めた近藤氏との会話から、この場所がスタッフ全員にとって印象的な場所であったことが分かります。

高橋「その上の木は作ったわけだね」

田中「これはね、影が欲しくって。自転車で来て……、そう、生やした」

近藤「川沿いだから、絵になるところを探して歩いて、撮ってた、んでしょう」

田中「この橋が分かりやすいんだよね、きっとね」

近藤「まあそうね」

田中「普通の橋よりね」

なるほど、アニメだと自転車に乗った拓が真横の大木の影にちょうど隠れるようになっていますが、実際にはそんなものは無かったということですね。15年経った今では、民家から伸びている木も随分大きくなってきた印象ですが、それでもアニメに描かれているほどの大きさではありません。

 

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このシーンは他にも、アニメの原作となった小説の挿し絵にも登場しています。挿し絵を担当したのは先の近藤氏で、上に引用した会話からも、この場所を最初に目につけたのは近藤氏であることが分かります。

……このように、『海がきこえる』ではその再現性の高さから「写真みたい」と評価されることが多々あるようですが、実際にはアニメと現実との間には何かしらの“差異“があり、その差異には制作者の何かしらの“意図“が込められている可能性がある、ということです。そのような目線を持ってその他のアニメ作品も鑑賞してみると、また違った目線でそのアニメを楽しめるかもしれませんね。

 

五台山展望台

神大橋は16時20分頃に後にし、再び大橋通りの交差点に戻ってバスに乗り、五台山に向けて出発しました。五台山は、Googleマップによると20分程度で到着するということだったのですが…、

 

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途中いつの間にか眠ってしまい、気付いたら出発して20分を少しオーバーしていました。慌ててバスを降りたのですが、このような川以外特に何もない田舎道に出てしまいました。。

五台山はここから2km程離れたところにあるようで、次のバスを待つにも時間がかかるので、結局歩いてオーバーした道を戻ることにしました。川沿いにある県道を西に向かってひたすら歩いて行きます。

ちなみに、その五台山というのは『海がきこえる』にて拓が高知時代に住んでいた場所として登場しているのですが、もう日が暮れかかっている時間帯なので、五台山の住宅街に立ち寄るのは諦め、そのさらに向こう側にある五台山の展望台まで行くことにしました。

 

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途中、県道から枝分かれしている小学校横の細道に出て、北西の方角に進んで行きます。展望台までの道のりも、ここからでは歩いていくしかなかったので、変わらず徒歩です。

 

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…が、当たり前と言えば当たり前なのですが、展望台までの道のりは山道なので、ここまで歩きっぱなしの私としてはかなり堪えるものがありました。しかも、ここの上り坂の傾斜が結構きつい…。

 

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さらに、途中からアスファルトで舗装されていない本物の「山道」に迷い混んでしまい、ただでさえもうすぐ日が暮れるというのに、まさかこんな所で遭難してしまうのかとガチで焦り始める始末でした。

写真は、大木が折れて道が塞がってしまっている箇所なのですが、これも先の西日本豪雨による影響なのでしょうか。

 

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写真のような状況ではもう先に進めないので、仕方なく折り返してしてみると、しばらくすると運良くアスファルト舗装の道路に出ることが出来ました。あとはこの道をひたすら沿って進むだけなので、急いで山頂に向かいます。

 

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17時50分頃、何とか無事山頂に辿り着きました。登頂時間はわずか20分足らずでしたが、途中余りにも焦りすぎたために、まるで一時間も二時間も登っていたような気分でした。

さて、ここから五台山の展望台へ向かうわけですが、その前に衝撃的な事実が…。上の写真の手前にバスの時刻表が掲げてあるのですが、よく見ると五台山山頂発の最終便はもうとっくに出てしまっていました。。ということで、帰りも徒歩です。が、行きであれだけ道に迷ったのに、帰りもスムーズに進んで行けるとはとても思えず、とにかく日暮れ前までにこの山から脱出するために、計算したところ18時過ぎにはこの場所を出発しなければならなくなりました。

 

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せっかく頑張ってここまで登って来たのに、僅か10分程度で出発しなければならないとは何とも勿体ない気分ですが、夜の山道は冗談抜きで危険ですから仕方ありません。とりあえず、看板どおり展望台に向けて進んで行きます。ちなみに、この山頂の広場には元総理大臣の浜口雄幸銅像もあったのですが、せっかく写真を撮ったのにデータが保存されていませんでした……(ていうか知らなかったのですが、浜口雄幸も高知出身だったんですね)。

 

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展望台に登って、五台山山頂からの景色です。高知市街の街並みが一望できます。

 

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ここの展望台は、見てのとおりスロープを通して前に突き出ている部分があったので、せっかくなので渡ってみることにしました。ただ、言わずもがなですが、結構怖いです。

 

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勇気を振り絞ってスロープを渡ってみると、このような素晴らしい光景が広がっていました。こうして見ると、日暮れ時という時間帯もかえって良かったのかもしれませんね。また、夜景の景色もこれなら相当綺麗なのでしょうが、その場合は車を持っていないと来るのが厳しいと思います。

 

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後ろを振り返ると、遠くにお寺の五重塔が少し見えました。実はこのお寺、あの行基が開いた由緒正しきお寺で、四国八十八ヶ所にも選ばれているそうです。私がここまで登ってくる途中にも見えたのですが、時間がないので立ち寄ることはしませんでしたが…。

 

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このような素晴らしい景色ではありましたが、時間的に十分堪能することは出来ず、10分ちょっとで後にして下山を始めました。帰りは行きの道とは反対の道を選んだのですが、いざ行ってみるとずっとアスファルト舗装の道路が続いていたので、迷うことなく無事山の麓に辿り着きました。

 

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麓からは、国分川という川に沿って、葛島橋東詰駅という路面電車の駅まで歩いて行きます。時刻は午後6時半前ということで、沈み行く夕日が綺麗でした。

 

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30分ほどかけて駅に到着し、あとは路面電車高知市街に戻ります。路面電車は個人的に乗る機会が滅多にないので、かなり新鮮な気分での乗車となりました。

 

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車内は帰宅途中のサラリーマンや学生で思っていたよりも混雑していたので、疲れているけど終始立ちっぱなし…。後部ガラスの側に陣取って車窓からの景色を眺めながら、はりまや橋駅まで向かいます。

 

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はりまや橋駅に着き、そこから10分程歩いて今回予約していたホテルに到着しました。ホテルの名前はツーリストイン高知というビジネスホテルで、値段は福利厚生という社会人の特権を使って二泊4,500円という格安でした。

 

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部屋の中はシングルルームということもありかなり狭かったですが、これぐらいなら慣れているので問題なし。ホテルの内装もとても綺麗でしたが、フリーWi-Fiがちょっと遅かったのだけが気になったかな…。

この後はホテルで1時間ほど休憩し、その後晩御飯を食べに夜の高知市街に繰り出しました。

 

夜の帯屋町

 

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高知市街で食事をするに当たっては、追手筋と帯屋町に挟まれたところにあるひろめ市場という食堂が有名らしかったのですが、何やらその市場は一人で行くにはかなり敷居が高いという噂だったので、今回は何となくビビってしまいパスして、適当なお店に入って食事を済ませることにしました。とりあえず帯屋町を歩いていれば何かあるだろうと思い、夜の帯屋町を徘徊してみます。

 

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結局、「高知といえば鰹でしょ!」ということで鰹のタタキが推し出されたお店に入り、メニューも鰹のタタキ定食を注文しました。が、味はまあこんなもんか、という感じでした。そもそもの話、私が鰹のタタキをそこまで好きではないということもあるんですけど、値段が1,500円もしたので、これではやっぱりちょっと高いよなあ、という感じでした。

 

あとは、ホテルに戻って温泉に入り、ベッドにもぐって長い長い1日目が終了しました。今日だけでもかなり日焼けをしてしまったのですが(日焼け止めを付けていなかったので…)、2日目はもっと酷いことになります…。

 

2日目へ続く