夏の高知旅行2日目② NIYODO BLUEを巡る(後編)
改めて、めだか池へ
とんだ時間の無駄遣いをしてしまいましたが、次こそは間違いなくめだか池へ行くぞ、ということで国道33号線を西へ向かって突き進みます。
ちなみに、この時私がどれぐらいの速さで自転車を漕いでいたかというと、GARMINのGPS付ウォッチによると大体1kmにつき1'45"ぐらい、上り坂だと2'30"ぐらいでした。多分ランニングをしている人ならピンと来ると思います(笑)
国道33号線のすぐ隣にはこのとおり線路が引かれており、土讃線の電車が時折通ります。線路の横を駆け抜けていくというのも中々新鮮な体験ですが、めだか池はこの土讃線沿いにある岡花駅という駅の近くにあります。
午後1時半頃、今度は迷うことなくまずは岡花駅に到着しました(写真左下に小さく「岡花駅」と書かれた駅名標が見えます)。 跨線橋となっている道路を渡って、駅のさらに西の方へと進みます。
駅を越えると、またのどかな田舎道の風景が続いていました。お目当てのめだか池はこの道の左側にあります。
日高村総合運動公園の入口まで来ました。この丁字路を左に曲がれば、めだか池に辿り着くはずです。
…とその前に、左手前にあったローソンにて少し休憩…。軽食とか飲料水を買い込んで、この後の移動に備えます。
国道から一歩外れると、緑の自然一杯の小道が運動公園まで続いていました。めだか池は、その途上の両脇に広がっています。正確には日下川調整池と言い、洪水時には調整池の役割を担いますが、普段は自然の動物や植物の宝庫となっています。
パンフレットの写真にあった浮浅橋の近くまで来ました。橋の前はちょっとした広場になっており、運良く人は誰もいないようです。これなら思いっきりこの空間を一人で堪能できそうです。
ここまで約1時間半、クソ暑い中自転車を漕ぎっぱなしだったので、まずは広場にあったベンチに腰掛けて休憩…。ローソンで買ったモンスターを飲んでエネルギー補給を図りますが、疲れ過ぎていて全然喉を通らない。。結局、目の前のめだか池の光景を眺めながら、疲れた体と心を癒します。
ベンチの横に、めだか池に通じる小川が静かに流れていました。何となく縁側の方に移動して、しばらく何も考えずにボーッとしてみます。運動して疲れると、“考えない“というより脳がスパークして“考えられない“といった状態になって、それが一種の瞑想状態のような感じで個人的に非常に心地が良いです。周りには人間の話し声などは一切なく、ただ小川のせせらぎの音が聞こえてくるのみです。
ここで小一時間ぐらい、ただひたすらボーッとしてみるのもいいかなー、と思ったりもしたのですが、この後もまだ他に行ってみたい場所があったので、致し方なく切り上げて浮浅橋の方へ移動します。
こちらが浮浅橋からめだか池を望んだ風景です。一直線に延びる橋に、水面には遥か向こうに従える山々が映る……、とパンフレットに載っていた写真と丸っきり同じ光景でした。
浮浅橋の一番端まで進んでみます。それにしても、まさかあの写真と全く同じ光景をこの目で見られるとは思っていなかったので、凄く感動しました。天気が良かったのも本当にツイてましたね。
浮浅橋の左右からの風景も素晴らしいです。やっぱり山が映えているのが良い味を出しているのではないかと個人的には思います。
そして反対側。もうどの方向を向いても素晴らしい景色しかないです。
あと、この一帯は本当に人が誰一人としていなかったので、変に周りの目線を気にすることなく目の前の風景に浸れたのが何より良かったです。波川公園の時と同じように、シャツを脱いで風の涼しさを直に感じながら、美しい風景を存分に堪能するというのは最高な贅沢でした。
仁淀川河口で、太平洋を望む
めだか池を出たのは午後2時前頃。決して長い滞在時間ではありませんでしたが、個人的にこれまで訪れた観光地の中ではトップクラスに気に入った場所となりました。ちなみにめだか池は、7,8月以外はフットパスというガイドさんと一緒に自然の生態系を観察する催しも開かれているそうなので、その際はお子さんと一緒に行くと良い自然学習になるかもしれません。
さて、時間的に他に行けるスポットはあと一つぐらい。最後はせっかくなので仁淀川の河口付近まで行き、雄大な太平洋を眺めてこようと考えました。
河口まではめだか池からおおそよ20km。この自転車なら1時間以内には着く距離なので、返却時間を考慮しても十分間に合います。まずは国道33号線をぶっ飛ばし、波川公園の手前辺りまで向かいます。
県道39号線に合流したところで右折し、その後はしばらく仁淀川の流れに沿う形で南下していきます。この国道33号線の大きな橋をくぐれば、再び仁淀川が見えてくるはずです。
緩やかな上り坂を登ると、見えました。ここからは仁淀川を左手に見ながら進んでいくことになります。
仁淀川を横目に、目の前にはまっすぐに延びる一直線の土手……、いやはやこんな良いところをロードバイクで颯爽と走れるとは、これまでの疲れや暑さも吹っ飛びそうです。
……が、こちらも車が結構通るので、事故ったりすることはないよう慎重に進んでいきます。
どんどん河口へと近づいていますが、仁淀ブルーも相変わらず綺麗です。
土手を過ぎた後は、仁淀川からちょっと離れることもありましたが、ここは道に迷わないよう適時現在位置を確認しながら、確実に進んでいくようにしました。
めだか池を出発してからおよそ一時間半が経過し、再び土手に上がりました。河口にも大分近づいてきました。
前方に見える大きな橋の向こう側が、太平洋です。ちなみに目の前の橋の名前は「仁淀川河口大橋」といい、全長は何と1,000m以上もあるそうです。
土手を渡り切り、ようやく仁淀川の河口まで辿り着きました。道中は写真を撮ったり現在地を確認したりしながら進んだので、予想よりかなり時間がかかってしまいましたが、無事に到着できました。目の前には広大な太平洋が広がっています。
自転車を停めて、まずは近くにあったカフェの前に腰掛けて休憩…。写真左上に見えるパラグライダーの姿をぼんやり眺めながら、高所恐怖症の自分にとってはあんなのあり得ないよなー、などと思いながら体を休めます。
しばらくしてから、カフェの屋上が展望台になっているということだったので、上ってみることにしました。展望台の高さはそんなに高いわけではなかったのですが、遮るものが無いので見晴らしは非常に良かったです。
色んな角度から写真を撮ってみました。どの角度を切り抜いても素晴らしい景色に見えるのは、どこから見ても遥か彼方の水平線、地平線を見渡せるほど解放感があるからでしょうか。
そして南を向けば雄大な太平洋。ところどころサーファーが作った波しぶきが見られますが、こういう景色を見ると松任谷由実の『サーフ天国、スキー天国』が思い出されます。
光るしぶきに抱かれて Highな気分になろうよ
つれてゆこうかこれから サーフ天国へ
の歌詞がスパークした頭の中にリフレインしていました。
さて、時刻は午後4時を回り、そろそろ自転車を返しに行かないと間に合わない頃になってきました。仁淀川河口からいの町観光協会まではおよそ12kmぐらいなので、一時間もあれば十分間に合うはずですが…。
帰りのルートは色々あったのですが、せっかくなので仁淀川河口大橋を渡ってみることにしました。長さが1kmもあるということで、実際にその場に立ってみたら端から端を見渡すことすら出来ません。
左右の様子はこんな感じ。仁淀川や太平洋とももうお別れになってしまうのかと考えると、少々寂しい気分になります。
河口大橋を渡った後は、自転車を返すことを最優先に考えたので、途中の風景の写真を撮るために一々立ち止まったりすることなどはしませんでした。が、振り返ってみれば帰りの道の風景も非常に良かったです。太陽が徐々に沈み行く中、地元の高校生が川の土手を自転車を走らせ帰宅して行く……、という田舎町本来の原風景のような景色が垣間見られて、比較的都会な街で育った自分にとっては、何だか幻想的なような気分に浸ることができました。
結局、自転車は無事返却時間前に返すことができて、これにてNIYDO BLUEを巡る旅は終了です。事前の予想を遥かに超える充実した時間を過ごすことができましたが、その分とにかく疲れた&体がありえないくらい日焼けしたので、早くホテルに帰ってベッドへダイブしたいと、まずは伊野駅から高知駅へと戻ります。
続く