旅の記録

旅ブログです。

台湾旅行2日目④ 新北投温線

 

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芝山公園の散策を終え、MRT淡水信義線まで戻ろうと川沿いをとぼとぼ歩いていきます。実はこの道中、今回の旅の中で一番命の危険性を感じた出来事に遭遇したのですが、まずはその話から始めたいと思います。

…歩き始めて10分ほどが経過した頃だったでしょうか。私の頭上をいきなり一匹の鳥が飛び抜けていきました。思いがけず振り返ると、その鳥は日本では珍しい全身青色をした鳥でした。

「へ~~、台湾には青い鳥がいるんやな~」

とその時の私は一瞬その青色に目を奪われただけで、すぐさま背を向けて再び目的地まで歩き始めました。ところがそれから僅か10秒ほどして、突如私の後頭部に何かがぶつかる衝撃が走りました。

「イタッ!」

思わず前方を見上げると、先程の青い鳥が正面の木の枝に止まって、私の方をジッと睨み付けているではありませんか。さっきの衝撃は、あの青い鳥がまるで獲物を捕まえるように私の頭を足の爪で引っ掻いたことによるものだったのです。前方にしたがえるその鳥のあまりの威圧感に、私は

「こいつ、僕のことを敵だと思っていやがる……」

と完全に気圧され、ワッと一目散に走って逃げました。結局その鳥はその後、二度目の襲撃は仕掛けてこなかったので良かったですが、まさか人間である私が鳥に襲われる日が来るとは思ってもいませんでした。皆さんももし台湾に来られたら青い鳥には注意してください…。

 

地熱谷

 

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とまあ私以外の人にとってはかなりどうでもいい話でしたが、個人的に印象に残る出来事だったので一応書き残してみました。

さて、士林駅から北に一つ隣の芝山駅まで来ました。ここからまたMRT淡水信義線に乗って、北へ北へと進んでいきます。向かうは芝山駅から5駅先の北投駅です。

 

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北投駅で下車し、次の目的地である新北投温泉に向かいます。ちなみに、新北投温泉の本当の最寄り駅は、新北投駅という北投駅から支線に乗り換えて1駅先の駅なのですが、歩き好きの私は例によって敢えて乗り換えをせず、北投駅で下車して歩いて向かうことにしました。

北投駅前は台北市郊外とはいえ交通量が多く、割と賑やかな街並みだったのですが、ここで個人的にかなり気になることがありました。それは通行人のバイクの乗り方です。

台湾のバイクの多さについては既に述べたとおりですが、台北駅周辺ではその乗り方まで気になるようなことは特にありませんでした。しかしここでは、まず3人乗りが普通にいます。しかも、明らかにやんちゃそうな若者が3人乗りしているとかではなく、若いお母さんが小さな子供を前後に乗せて平然と運転しています。まるで日本でいう自転車の前後に子供を乗せているような感覚です。

そしてさらにたまげたのは、「犬」を乗せている人がいたことです。もはや人間がどうとかいう話ではありません。しかも目撃したのも1人や2人ではありませんでした。いやはや日本では全く考えられないことですが、それにしても犬が急にバイクから降りて事故に遭うとか、そういった問題は起こっていないのでしょうか?

 

…とまあ、そのようなぶっ飛んだバイクの乗り方に目を奪われていたから、というわけではないのですが、ここで私の方向音痴っぷりが炸裂してしまい、思いっきり道に迷いました。

スマホの残りバッテリーを気にしてGPSを使わなかったのがいけなかったのですが、この辺は道がかなり入り組んでいることもあったので、一端違う道に出ると特にショートカットする道もなく、元来た道を引き返すしかないので、それで余計に時間がかかり…。話によると北投駅から新北投温泉までは歩いて15分ぐらいということだったのですが、結局40分近くもかかってしまいました…。

 

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この道が二手に別れているところで、正解は左なのにどういうわけか右の道を選んでしまったんですよね。。しかもこの辺は坂も多く、曇りだった空も陽が出て来たりしたので、足は疲れるし汗はかくしで大変でした。

 

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二手に別れているところまで何とか戻り、正解の左の方へ進んだら目的地まで一瞬でした。さっきまでの私の努力は一体何だったんだという感じですが…。
さて、とにもかくにもようやく新北投温泉まで辿り着きました。新北投温泉と言えば、台北市中心部からでも日帰りで行ける温泉街として昔から有名で、その歴史は日本統治時代まで遡ります。領台当初、南国特有の劣悪な衛生環境を何とか整えようと、政府は色々と策を施していたわけですが、その一つが温泉の整備でした。新北投温泉は、温泉という日本の伝統文化が台湾に持ち込まれ、それが今も息続いているよい事例の一つと言えるのです。

そんな新北投温泉ですが、温泉と一口に言っても様々な名所があります。まずは写真にあるとおり地熱谷という所へ行ってみました。


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…とその前に、近くにあった屋台で軽く腹ごしらえ。そういえば今日はここまで、朝食も昼食も何も食べてなかったんですよね。理由としては、今日はスケジュールが詰まっているからというのもありましたが、それより異国の地で飲食店に一人で入るのが個人的にかなりハードルが高い、というのがありまして…。

しかし屋台なら、その店のローカルルールとか何もないので、比較的安心して利用することができます。今回は温泉地まで来たということで、温泉卵を買ってみました(30NT$=111円)。やはり腹が減っているときの温泉卵は旨い。

 

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そして地熱谷へ。地熱谷はこの周辺の火山区域から湧き出る温泉の中で最も水温が高く、高いところでは90℃にまで達するということです。なので温泉ですが人が中に入ることはできず、周りから眺めることしかできません。

 

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しかし、その高温によってもうもうと吹き上がる湯気の煙は圧巻の光景で、今では台湾の主要な観光名所の一つとして多くの観光客が訪れています。ただ、当然のことながら周囲は凄い熱気に包まれているので、夏場に行くと大変かもしれません。

 

人生初の混浴風呂に挑戦

 

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と言っても、今日は今日でまあまあ暑いので、そこまで地熱谷に長居することもなく…。はじめの場所へ戻り、近くに流れている小川に沿って新北投駅の方へ歩いていきました。

 

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途中見つけた旅館。名前が「熱海」大飯店って…。読み方も「ATAMI」だし、この辺は日本の有名な温泉街の名前をそのまま使う習慣があるようです。

 

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歩いていくと、お目当ての露天風呂に辿り着きました。実はここ、混浴の露天風呂なんです。混浴なんて人生で一度も入ったことがない(というか女の人と一緒にお風呂に入ること自体ここ20年ぐらい無い)自分にとって、これはよい人生経験になるだろうと前々から行こうと思っていたのです。

 

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…といっても、水着着用ですけどね。しかも、注意書きを見れば何となく分かるように、規制はかなり厳しいです。例えば、海水浴場でよく履かれているような短パンっぽい水着は駄目です。いわゆる競泳水着のような奴でないといけません。

しかし、私は事前にリサーチ済みだったので、ばっちし持ってきていました。ただ、無くても水着は中で売っているので、最悪手ぶらでも問題はないです。

さて、入場料の40NT$(=148円)を払いさっそく中へ入ったわけですが、これより先は当然のことながらカメラ撮影禁止なので、中の様子を写真でお伝えすることはできません。というわけで、拙いながらも私の文章のみでお伝えすると……。

 

まずお風呂の種類は結構豊富で、水温の高低によって6種類ぐらいはありました。一番熱いところはもはや皮膚が痛くなるレベルで30秒も入っていられませんでしたが、ぬるま湯のところもちゃんとあります。また、一つ一つのお風呂の面積は狭くても10人弱、広いところは20~30人ぐらいは入れるスペースで、少し小規模なスーパー銭湯といった感じでした。

続いて気になる客層ですが、これは大方の予想通り地元のおじいさん・おばあさんばかりでした。若い男は割とガチで私一人だったと思います。若い女の人は…、意外と白人がちらほらいたんですけど、その美貌に見とれるというよりは、そのふくよかさに驚愕したと言った方が正しいですね…。あとは、日本人も私一人でした。

他には…、シャワーは温水は出ないし水圧も弱いので、あまり体を汚さないようにした方がいいです。荷物はロッカーに預けられますが、端っこの方に置いている人の方が多かったです(恐らく地元の人たちでしょうが)。

そして…、この温泉に入っていて誰かに話しかけられるといったことは一切ありませんでした。若い女の人はおろかおばちゃんや男もです。これがいわゆる現実というものなんですね…。

 

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……まあそんな現実は先刻承知だったわけですが、結局のところ全ての種類のお風呂に一通り入り、40分ぐらいこの混浴露天風呂を堪能してしまいました。まあ今になって意外と今日のスケジュールに余裕がありそうだということが分かったからなんですけど、結果的にもここで長時間お風呂に浸かっていたのは正解でした。これまでずっと歩きっぱなしで体が疲弊していたわけですが、この露天風呂を挟んだところ明らかに体が楽になったので。

15時前に店を出て、すぐ横の屋台でお風呂上がりのアイスクリーム(20NT$=74円)を食べて一休み。日本人なら温泉を出たら牛乳かアイスですよね。

 

世界で最も美しい図書館で優雅に読書

 

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地熱谷も混浴露天風呂も堪能し、だがしかし次の目的地である淡水へ行くにはまだ早い。淡水は夕日の名所として知られているので、15時から行くとなると時間がちょっと早すぎるのです。

というわけで、新北投温泉のその他の名所も見て回ることにしました。まずは温泉博物館なるものがあるということで探してみたのですが、どうやら現在改修中とのことで、中に入れず…。

 

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しかし私にはもう一つ、是非とも行ってみたいところがありました。それが図書館です。異国の地の図書館など、普通なら全く興味が沸かないところですが、ここ北投の温泉街にある図書館は一味違います。見てのとおり木製を基調とした洒落た感じの構造で、聞くところによると世界一美しい図書館に選ばれたとか…。

 

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テラスに出て外で本を読める図書館とか、日本だと聞いたこともありません。ぱっと見た感じ、図書館というより規模の大きいカフェのようにも見えます。

 

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時間も余ってるしせっかくなので、中に入ってみることにしました。外装も内装も、公営の建物によくある無機質な感じは全くしませんでした。ただ、置いている資料については当然理解ができないので、そこは素通りしてテラスの方へ。

 

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このような自然に囲まれた景色を目の前にしながら、読書を楽しむことができます。ただ周りの人は、本読んでる人よりも寝てる人の方が多かったですが…。でもやっぱり図書館に来たからには本を読まないと、ということで、カバンの中に入れっぱなしにしていた小説を引っ張り出しました。

 

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世界一美しい図書館で読書とは何と優雅な…。何だか男の一人旅とは思えぬ洒落た行動をしてしまいましたけど、お陰で良い感じに集中して読書の時間を過ごすことができました。

 

 

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結局図書館には30分ほど滞在し、そろそろよい時間になったので新北投温泉を後にすることにしました。お次の目的地である淡水もまたMRT淡水信義線沿線なので、北投駅から終点の淡水駅へ向かいます。ただ、乗り込んだのは北投駅ではなく新北投駅。もう北投駅へ向かう途中道に迷うのは勘弁だったので…。

 

 

続く